ヒロトの投資日記

投資活動を徒然記します

FRBは銀行システムの混乱よりインフレ抑制を優先し利上げを実施

こんにちは.

昨日のニューヨークタイムズの記事

銀行システムの混乱にもかかわらず、FRBは引き続きインフレに重点を置き、利上げを実施(The Fed, Still Inflation-Focused, Raised Rates Amid Bank Uncertainty - The New York Times)についてです.

 

今回の事件から,個人投資家として何が教訓として得られるのか考えてゆきたいと思います.

 

記事の要点

  • 米連邦準備制度理事会FRB)は、2023年3月22日に金利を4.75%から5%の範囲に0.25%引き上げた
  • 2023年にあと1回の利上げほのめかした
  • FRBの目標は、インフレを抑えることに重点を置くことと、金融の脅威を監視することのバランスをとること
  • FRBは2022年3月以降、経済の冷え込みとインフレに対処するために急速な利上げを行ってきたが、最近の銀行業界の動向は状況を複雑にしている。
  • 銀行の破綻と信用収縮が進む中、さらなる利上げの見通しとその規模は依然として不透明

 

記事の背景

これまでのニューヨークタイムズの記事から,経過をまとめると,以下のようになります.

 

シリコンバレーバンク(SVB)は,モルガンスタンレー銀行などの大銀行ではなく,中規模の銀行です.大銀行は,リーマンショックなどの金融危機を教訓に運用ついては制限をうけてきました.一方,SVBなどの中規模銀行は,大銀行よりも地方の政治と結びつき,政治的発言力が大きくこれまで規制を逃れてきました.

 

SBVについてはより魅力的な投資先,”smart money"として,ベンチャーキャピタリストなど企業が投資をしてきました.政府はたびたびSBVの経営について,改善を促すように忠告してきましたが,受け入れませんでした.そのため,金利上昇による債券価格の下落から,資金の引き出しがはじまり,現金の枯渇を恐れたSBVは長期債券を売却し,損失を確定しました.この損失の確定から現金引き上げが加速し経営破綻に陥りました

 

クレディスイスは以前よりその経営が問題視されており,SVBの破綻から注目があつまり株価は下落,救出のためライバルのUBSが買収することとなりました.

 

このような金融不安が広がりつつありますが,FRBはコロナ後の低金利によりマネーサプライが増加しインフレが進行するなかでインフレの進行を止めるために金利を上昇させています.

 

今後

今回の利上げは市場予想どおり(

商品9時30分 原油が続伸、金融システム不安後退で買い戻し 金は反発 - 日本経済新聞)だったようで各経済指数には大きな動きななさそうです.

今回の記事から,利上げは今後も慎重に行われていくようです.パウエル議長は,

“We have to bring inflation down to 2 percent,” Mr. Powell said. “The costs of failing are much higher.”

と述べており,金融機関の混乱よりもインフレのリスクを重要視しています.

 

金利が上昇するとリスク資産は下落しますが,大銀行などは規制をうけており,SBVのように連鎖的に倒産していくということはないはずです.

 

我々個人投資家は,今回の件に関しては,現状維持で淡々と投資を行えばよさそうです.